教育ローンはいつか返済しなければならない”借金”です。できれば使いたくないという方も多いと思います。
こどもが幼い頃から定期預金や学資保険を利用したり、高校生や大学生になれば、奨学金を活用するなどして、計画的に教育資金を確保するのが理想的なのですが、例えば、計画していた国公立の学校への進学から私立への進学に切り替えたり、文系の大学から授業料の高い理系の大学に志望先が変わったりなど、どうしても計画外の教育資金が必要になる場合があります。
そこで、このブログの運営者であるパパが実際に利用している受験と進学に使える千葉銀行の「スーパー教育ローン」についてご紹介します。
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」、都市銀行・地方銀行の教育ローンとの違いを比較しながら説明を進めていきますので、教育ローンを検討される際の参考にしていただければ幸いです。

教育ローンを本当に借りる必要性があるのかを慎重に検討して、借入を決める際には確実に返済できる金額を借りましょう。
※下記の内容は、2019年8月11日現在の各金融機関の公式ホームページで公開されている情報に基づいて作成しています。
千葉銀行の教育ローンは条件付き「全国対応」
このブログの読者さんの中には、千葉銀行の教育ローンといっても、千葉県に住んでいない、千葉銀行と取引がない、それでも教育ローンを利用できるの?と思っている方もいるかもしれません。
千葉銀行の公式ホームページには以下の説明があります。
全国対応&来店不要!
日本全国にお住いの方がご利用いただけます!※ご利用いただけない場合もありますので、ご利用可能エリアをご確認ください。
この説明だけ読むと、一部の例外はあっても、日本全国に住んでいる方の多くが利用できるように思えますが、実際はそうではありません。
千葉銀行の教育ローンを利用できるエリアは公式ホームページの詳細説明によると次のとおりとなります。
(1)ご子弟が千葉県、東京都、茨城県、埼玉県、神奈川県にある教育機関に入学または在学するためのお借入れの場合
日本全国にお住まいの方がご利用いただけます。
つまり、お子さんが千葉県、東京都、茨城県、埼玉県、神奈川県にある中学校、高校、大学などの教育機関に入学または在学する場合に限り、日本全国に住んでいる方が利用できる、という意味で「全国対応」というフレーズを使っているのです。
上記(1)以外の借入の場合は、「お住いの所在地が千葉県、東京都、茨城県、埼玉県、神奈川県の各エリア(一部エリアで利用地域が限られています)にある方が利用できる」とされています。
千葉銀行の教育ローンの対象になる例
- 北海道に住んでいる人の子供が東京都の大学に進学する場合
- 東京都に住んでいる人の子供が北海道の大学に進学する場合
千葉銀行の教育ローンの対象にならない例
- 北海道に住んでいる人の子供が北海道の大学に進学する場合
- 北海道に住んでいる人の子供が鹿児島の大学に進学する場合
利用可能なエリアの詳細は千葉銀行の公式ホームページでご確認ください。
千葉銀行の教育ローンを選んだ理由
教育ローンは、日本政策金融公庫が扱う国の教育ローン、都市銀行、地方銀行、信用金庫、ネット銀行が扱う教育ローンなど様々です。
それでは、どのような教育ローンを選べばよいのでしょうか?
私が千葉銀行のスーパー教育ローンを選んだ理由も参考にしていただき、必要に応じて皆さんそれぞれに相応しい教育ローンを見つけ、お子さんの教育資金を確保するための手段の1つとして検討していただければと思います。
千葉銀行の教育ローンは金利がリーズナブル
私が千葉銀行のスーパー教育ローンを選んだ理由の1つは、借入金利が”リーズナブル”という点です。
リーズナブル(Reasonable)を辞書で調べてみると、次のような意味があります。
- 高くない
- 手ごろな
- ほどよい
千葉銀行のスーパー教育ローンの借入金利は2.2%~2.4%(変動金利)です。千葉銀行から住宅ローンを借り入れている方は2.2%で借りることができます。
この2.2%という水準感は、例えば、普通預金の運用金利が0.001%~0.11%程度(2019年8月1日時点)であることと比較すれば、決して低いとは言えませんが、他の金融機関が提供する教育ローンと比べてみれば、リーズナブル(高くない、手ごろな)な水準であると私は思いました。
他の金融機関の教育ローンの借入金利をいくつか見てみましょう。(2019年8月1日時点の金利、無担保型)
金融機関名 | 教育ローンの借入金利 |
日本政策金融公庫 | 年1.71%(固定) |
横浜銀行 | 年1.7%~年2.7%(変動) |
千葉銀行 | 年2.2%~年2.4%(変動) |
楽天銀行 | 年3.214%(変動) |
三井住友銀行 | 年3.475%(変動) |
三菱UFJ銀行 | 年3.975%(変動) |
年収(所得)制限がなければ、国の教育ローンがおすすめ
日本政策金融公庫が取扱う「国の教育ローン」の金利が一番低いです。しかも都市銀行や地方銀行とは異なり、固定金利なので、金利変動リスクがなく安定感もあります。さすがは「国の教育ローン」ですね。
私が「国の教育ローン」を選ばなかった、というより選べなかったのには理由があります。それは世帯年収(所得)の上限が設定されているからです。
子供の人数 | 世帯年収(所得)の上限額 |
1人 | 790万円(590万円) |
2人 | 890万円(680万円) |
3人 | 990万円(770万円) |
4人 | 1,090万円(870万円) |
5人 | 1,190万円(970万円) |
※上表の出典:日本政策金融公庫ホームページ
「世帯」の年収(所得)が基準となりますので、夫婦の年収(所得)の合算が上表の基準を超えてしまうと、国の教育ローンを利用できません。※一部例外がありますので、詳細は日本政策金融公庫のホームぺージ(上記リンク)をご確認ください。
国の教育ローンを利用できる資格のある世帯が教育ローンを検討される際には、日本政策金融公庫を第一候補にして先ずは申請をしてみるのがよいと思います。
取引状況によっては横浜銀行の教育ローンもおすすめ
前出した教育ローンの金利のうち2番目に低金利なのは横浜銀行です。
横浜銀行は1.7%~2.7%(店頭表示金利)と借入金利の幅が広いですが、国の教育ローン並みに低い1.7%(変動金利)が適用されるのは、横浜銀行の住宅ローンを借りている場合および給与振込がある場合に限られます。
横浜銀行と取引のない私の場合、店頭表示金利である2.7%が適用されるため、千葉銀行の2.2%~2.4%の方が借入金利の条件が良いです。
なお、優遇金利が適用される条件で横浜銀行と千葉銀行を比較すると、横浜銀行は給与振込と住宅ローンの2つ、千葉銀行は住宅ローンのみ、というように千葉銀行の方が優遇金利を受けられるハードルが低いことも付記しておきます。
横浜銀行の借入金利1.7%が適用される方は横浜銀行を、横浜銀行とも千葉銀行とも取引のない方は、借入金利2.4%が適用される千葉銀行を教育ローンの候補として検討してみると良いと思います。
教育ローンは都市銀行よりも地方銀行がおすすめ
前出のとおり、都市銀行トップ行よりも地方銀行トップ行である横浜銀行と千葉銀行の方が借入金利の面で条件が良いです。
教育ローンの善し悪しは、借入金利だけで決まるものではなく、借入可能な金額や借入期間の長短など総合的な条件で判断する必要がありますが、後述するように横浜銀行と千葉銀行の教育ローンは総合的に見ても借り入れる側のメリットが都市銀行よりも大きいと思います。
千葉銀行の教育ローンは借入金額最大3000万円
教育ローンは借入者の返済能力等に基づいて借入金の上限が決定されますが、その上限は青天井という訳ではなく、最大借入金額が設定されています。
千葉銀行の教育ローンについては、後述する「都度お借入れタイプ(最大1000万円)と「一括お借入れタイプ」の合計で最大3000万円まで借入が可能とされています。
私が調べる限り、借入金額最大3000万円は、日本政策金融公庫、都市銀行、地方銀行、ネット銀行と比べてみても最大規模であり、千葉銀行の教育ローンの一番の強みではないかと思います。
他の金融機関の借入最大額を見てみましょう。
金融機関名 | 借入最大可能額(無担保) | 備考 |
日本政策金融公庫 | 350万円(こども一人あたり) | 海外留学の場合は最大450万円 |
横浜銀行 | 最大1500万円 | 内、カードローン型は最大1000万円 医学・歯学・薬学部は最大2000万円 |
千葉銀行 | 最大3000万円 | 内、都度お借入れタイプは最大1000万円 |
楽天銀行 | 最大500万円 | 医学・歯学・薬学系大学は最大1000万円 |
三井住友銀行 | 最大300万円 | 有担保型は最大3000万円 |
三菱UFJ銀行 | 最大500万円 | 医学・歯学・薬学部等は最大1000万円 |
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」では最大借入金額が子供一人当たり350万円(海外留学の場合は450万円)なので、子ども4人の世帯では、1400万円(同1800万円)まで借り入れることは可能ですが、それでも千葉銀行の最大借入金額3000万円には及びません。
三井住友銀行では有担保型の教育ローンで最大借入金額3000万円としていますが、千葉銀行の教育ローンは無担保型ですので、単純に比較はできません。無担保型の教育ローンとしては、千葉銀行のスーパー教育ローンの借入可能金額が最大級といえます。
繰り返しになりますが、借入金額は実際に必要とされる教育資金の範囲内で借りる方の返済能力等に基づいて決定されるものです。各金融機関が提示する最大借入金額まで借りることができるとは限りませんので、ご注意ください。
千葉銀行の教育ローンなら「都度お借入れタイプ」がおすすめ
千葉銀行のスーパー教育ローンには「都度お借入れタイプ」と「一括お借入れタイプ」の2種類あります。
千葉銀行の教育ローンをこれから始める方には私も使っている「都度お借入れタイプ」がおすすめです。そのメリットを以下に説明していきます。
メリット1:必要なとき必要な額だけ使える
最大1000万円の借入れ枠(極度額)を設定しておくことで、必要な教育資金をいつでもATMなどで借り入れることができます。
例えば、借入れ枠(極度額)500万円が設定されて授業料等に100万円利用した場合、残り400万円は審査や書類なしで利用できます。
借入れ枠(極度額)を設定するだけでは手数料や利息はかかりません。今すぐに教育資金が必要ではなくても、何かあったときのために設定しておけば安心です。なお、借入れ枠(極度額)の設定には審査が必要です。
メリット2:利息は使った分だけ
利息は実際に借り入れた分に対してのみ発生するため、一括で借り入れるより利息が抑えやすくなります。
また手元資金に余裕があるときにはATMなどで原則手数料無料で随時の返済ができるので、こまめに借入を返済しておけば、利息の支払を減らすことができます。私はボーナス支給時などまとまった手元資金が入ったときには借入を減らしていました。ただし、この取り扱いは後述する在学期間中(当座貸越期間)のみ可能です。
なお、「一括お借入れタイプ」では、一括で借り入れた必要資金全額に対して借入日から利息がかかります。
メリット3:在学中は元金据置が可能
在学期間中(最大6年6か月間)は利息のみの支払がOKなので、資金面でゆとりが生まれます。ふたりの子供が連続で受験期を迎えたときに返済額を抑えることができたので、とても助かりました。
なお、「一括お借入れタイプ」では、その名のとおり、必要な教育資金を一括で借り入れて、毎月、元金と利息の両方を返済していくことになります。
メリット4:借入期間は最長16年6か月
「都度お借入れタイプ」では在学期間中は当座貸越期間として最長6年6か月間、元金据置で借りることができます。卒業後、つまり、当座貸越期間の終了後、最長10年かけて返済することができます。この結果、全体の借入期間は最長で16年6か月となります。
ただし、返済期間が長くなればその分だけ利息の支払総額は増えてしまうので、家計の収支見通しを考慮したうえで返済期間をよく検討しましょう。
なお、「一括お借入れ方式」についても借入最長期間は16年6か月となります。
メリット5:随時借入・返済できるATM等の数が多い
在学期間中(当座貸越期間)に随時借入・返済する際には無料で発行されるICカードを利用します。
このICカードを使って随時借入・返済できる提携金融機関や提携コンビニ等のATMの数が多いことが本当に便利です。ATM等を利用する時間帯にもよりますが、借入・返済の際の手数料が無料なのも嬉しいです。
千葉銀行、全国の提携金融機関(都市銀行・地方銀行等)、提携コンビニ等のATM(イーネット・セブン銀行・ローソン銀行・ゆうちょ銀行・イオン銀行)、インターネットバンキング・テレフォンバンキング
千葉銀の教育ローンは様々な用途に活用可能
千葉銀行の公式ホームページでは、
あらゆる教育資金にご利用可能
と説明されています。
ホームページでより詳細な説明を確認すると次のとおりです。
- 保育園、幼稚園、小、中、高校、高専、短大、大学
- 盲、聾、看護学校等
- 専修学校、各種学校、進学予備校等
- 入学金
- 授業料、教材費、制服代、定期代
- アパートの敷金、仕送り
- 他金融機関の既存教育ローンの借換資金、借換に伴う諸費用(支払利息・印紙税等)
- 既にお支払い済の資金(審査お申込み日から3か月以内のものに限る)
私自身、中学生から大学生の4人の子どもについて、入学金、授業料、教材費、通学定期代などで利用しています。
高校生の子供は海外留学で利用することができましたし、大学生の子供は奨学金と併用しながら授業料等で利用しています。
他方、横浜銀行や大手都市銀行においても、教育ローンの使途は幅広く認めらていて、千葉銀行だけが特別という訳ではありません。
日本政策金融公庫が取り扱う「国の教育ローン」はどうでしょうか。結論から申し上げると、融資の対象となる学校は「修業年限が6か月以上(外国の教育施設は3か月以上)で、中学校卒業以上の方を対象とする次の教育施設です」とされています。つまり、「国の教育ローン」は小学校受験、中学校受験では利用することができません。小学校受験や中学校受験についての教育資金は民間の金融機関を活用することになります。
千葉銀行の教育ローンなら約2週間での借入が可能
千葉銀行の公式ホームページでは借入期間について次のように説明されています。
ちばぎんスーパー教育ローンなら期限にきっちり間に合う約2週間でお借入れが可能※
※お借入れまでに要する時間について:提出書類が不足した場合等はお借入れまでに2週間以上お時間がかかる場合がございます。なお審査の結果によってはご希望に添いかねる場合がございます。
私は自身の4人の子供について千葉銀行のスーパー教育ローンを活用させていただいていますが、書類に不備がないケースでは約2週間で借入ができましたし、また書類に不備があり再提出したケースにおいても申し込みから借入実行まで1か月ほどでした。
参考までに、他行が取り扱う教育ローンの借入までの期間を調べてみました。
横浜銀行の教育ローン(カードローン型)では、借入までの期間は、「WEB契約の場合、最短1週間」と公式ホームページ上で説明されています。千葉銀行よりもさらにスピーディーですが、2週間と1週間との差はあまり気にならないというのが個人的な感想です。もちろん、早いことに越したことはありませんが。
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」では、「20日程度でお振込み」と公式ホームページ上で説明されており、千葉銀行や地方銀行よりは審査手続きに時間がかかるようです。
千葉銀行のスーパー教育ローンはネット&郵送が便利
千葉銀行のスーパー教育ローンはネット(電話も可)&郵送が便利です。
会社勤めの私にとって平日に銀行窓口に行くのは精神的に苦痛です。千葉銀行の教育ローンなら、ネットで仮審査の申し込みをした後に、郵送されてくる関係書類に必要事項を記入して返送すればOK。仮審査の申し込みは電話でも可能で土日祝日も対応してくれるので簡単便利でした。
提出した書類が審査される過程で、勤務先確認のため千葉銀行から自分が務める会社に電話がかかってきます。自分が電話に出る必要はなく、会社等に在籍していることが確認できれば良いとのことでした。
借入審査の申し込みなどの手続きの詳細は、千葉銀行の公式ホームページでご確認ください。
まとめ
教育ローンは借金であることには変わりありませんので、利用にあたっては世帯の収入・支出の見通しなども踏まえながら慎重に検討する必要はありますが、良いタイミングで上手に利用すれば、子供達の可能性を広げてあげることができる1つの手段だと思います。
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