【大学共通テスト】国立大学の民間英語試験の活用方針

2019年11月30日の朝日新聞、読売新聞、毎日新聞はそれぞれ1面で英語民間試験の活用について国立大82校中62校が取りやめた、と報じました。これは、主に今の高校2年生が受ける2021年度入試で、文部科学省が大学入学共通テストで英語民間試験の活用を見送ったことを受け、国立大学が相次いで対応を発表したことによるものです。

今回は、大学入学共通テストで導入される英語の民間検定試験について、国立大学の活用予定について学びましょう。

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国立大学 英語民間試験の活用方針

国立大学の一般選抜での英語民間試験の活用方針(2019年12月6日現在)

全学部で活用する

東京海洋、広島、九州工業、佐賀、鹿児島

一部の学部で活用する

秋田、千葉、茨城、東京芸術、金沢、福井、大阪、教育、山口、九州、長崎、宮崎

活用をやめる

北海道教育、室蘭工業、小樽商科、帯広畜産、旭川医科、北見工業、弘前、岩手、宮城教育、山形、福島、筑波、宇都宮、群馬、埼玉、東京、東京医科歯科、東京外国語、東京学芸、東京農工、東京工業、お茶の水女子、電気通信、一橋、横浜国立、新潟、長岡技術科学、上越教育、山梨、信州、富山、岐阜、静岡、浜松医科、名古屋、愛知教育、名古屋工業、豊橋技術科学、三重、滋賀、滋賀医科、京都、京都教育、大阪、兵庫教育、神戸、奈良教育、奈良女子、和歌山、鳥取、島根、岡山、徳島、鳴門教育、香川、愛媛、高知、福岡教育、熊本、大分、鹿屋体育、琉球

もともと活用しない

北海道、東北、筑波技術、東京工芸繊維

英語民間試験の成績を活用する国立大学において、英語民間試験の成績をどのように活用するかについては、各大学のホームページで確認するか、各大学の入試担当部署に電話やメールで直接、問い合わせてみましょう。出願要件とする大学もあれば、点数化して加算評価するという大学もあります。

東京大学でも英語民間試験の活用方針を転換

東京大学では当初、英語民間試験を出願要件として活用する方針でしたが、文部科学省の方針転換を受けて、2019年11月29日に活用しないことを発表しました。

2021年度(令和3年度)東京大学入学者選抜(一般入試)における出願要件に関する予告(平成30年12月25日公表)について、以下のとおり変更します。

【予告の内容変更】

国における英語民間試験活用のための「大学入試英語成績提供システム」の導入見送りを踏まえ、2021年度(令和3年度)の一般入試においては、出願要件の追加は行わないことを決定しましたのでお知らせします。また、これに伴い、平成31年3月8日に予告した「英語力に関する証明書」「理由書」の様式案についても使用しません。

【平成30年12月25日の予告内容】

「2021年度(令和3年度)東京大学一般入試における出願要件に関する予告」において、英語力を証明するために、①民間の英語試験の成績、②高等学校等の証明書、③理由書、のいずれかの書類の書類の提出を求めることを出願要件に追加する。

東京大学では当初より、英語民間試験の成績に代えて高校が作成する証明書などがあれば、出願することを認めていたので、今回の見直しによる受験生への影響はそれほど大きくはないといえるでしょう。

(参考)国立大学の一般選抜での英語民間試験の当初活用方針(2019年5月13日時点情報)

2019年5月時点では国立大学の一般選抜での英語民間試験の活用方針は次の表のとおりでした。

活用方法大学名(学部等名)大学数
①出願資格として活用CEFR
A2以上
東京、一橋、東京外語、
東京工業、名古屋、京都、大阪など
25
CEFR
A1以上
横浜国立(経営等)、
金沢など
13
CEFR
基準の定めなし
岡山、広島など3
CEFR
基準は未定
東京海洋など3
②点数化して共通テストの成績に加点筑波、
東京藝術(美術)など
33
③出願資格及び点数化して加点横浜国立(教育等)など7
④一定水準以上の成績で共通テスト
の「英語」を満点とみなす
東京藝術(音楽)など3
⑤高校が作成する証明書等の併用東京、一橋、
名古屋、京都など
8
⑥高得点利用(共通テストの「英語」
の得点と比較)
富山(人文等)1
⑦活用するが、現時点で活用方法を
明示していない
東京学芸など8
⑧活用しない北海道、東北など4
  • 大学数には、一部の学部等のみで実施する場合を含めています。
  • 「活用方法」には、当てはまる箇所に全て記入しているため、複数欄に記載されている大学もあります。
  • 2019年5月13日現在の情報です。最新情報は各大学のウェブサイトで確認してください。

一般選抜以外の入試では活用する国立大学も

「一般選抜」では活用しない国立大学でも、「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」などで民間試験の成績を活用する場合も多くあります。

例えば、一橋大学、京都大学などでは、一般選抜では活用しないけれども、それ以外の選抜では活用する学部があると発表しています。

各大学のホームページをチェックすることをお勧めします。

英語民間試験の導入見送りによる受験生への影響は?

大学入学共通テストのための英語民間試験は、新しい英検やGTECなど7種類が対象となっていました。共通テストへの英語民間試験の導入が見送られたことで、この制限がなくなりました。

国公立大学、私立大学の別にかかわらず、一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜などにおいて、英語民間試験の成績が活用できる場合が多くあります。志望大学のホームページで活用できる英語民間試験を確認してみましょう。

また、共通テストのための新しい英検では、高校3年生の4月から12月に受けた2回までの試験のスコアが「大学入試英語成績提供システム」を経由して、受験する大学に送付されることになっていましたが、このような受験回数の制限もなくなりました。この「大学入試英語成績提供システム」を利用するために高校生に付与される予定だった「共通ID」も不要になりました。

共通テストのための新しい英検の予約申込をした受験生は指定された期間内に「キャンセル」をすれば、予約金3000円が返金されますので、忘れずに手続きをしましょう。

  1. すでに「予約申込」を済ませた受験生は12月3日から12月24日までの間に必ず「継続受験」か「キャンセル」を選択する。
  2. キャンセルを選択した場合、予約金3000円が返金される。この際、手数料は差し引かれない。
  3. 継続受験を選択した場合、特別割引価格(例えば英検準1級は通常価格9800円が6900円に)で受験できる。

大学受験者は英語民間試験にどう向き合うべき?

共通テストのための英語民間試験の導入は見送りになりましたが、国立大学でも私立大学でも英語民間試験のスコアが利用できる学部が多くありますので、うまく活用することをお勧めします。

早稲田大学、上智大学、明治大学、立教大学、青山学院大学をはじめとする難関私立大学では、従来より、英語民間試験の成績を入試に活用しています。特にスコアが点数化されて加算評価される入試方式では、英語民間試験で高スコアを持っていることは有利になります。

また、共通テストで出題形式が変更される英語科目に備えるためにも、英検などの民間試験の対策が役立ちます。

これは、共通テストの英語では、リスニングの配点が全体の半分(リーディング100点、リスニング100点)に大幅に増えるので、現行のセンター試験(筆記200点、リスニング50点)以上にリスニング対策が重要になるからです。市販されているテキストなどを利用して英語民間試験のために勉強をし、リスニング力を強化しておけば、共通テストの英語科目のスコアアップにもつながるというわけです。

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